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モザイク・ぼかしの安全なかけ方(個人情報保護の実務)

公開直前になって「顔や氏名の隠しが甘い」「車のナンバーが読める」と気づくことは少なくありません。現代の復元アルゴリズムや超解像を前提にすると、“小さすぎるモザイク/ぼかし”は安全ではありません。本稿では、実務で再現性の高い安全側の設定値と、落とし穴を避けるワークフロー、そして最後に役立つチェックリストをまとめます。

注意(法務の観点)
ここでは制作実務のベストプラクティスを示しますが、法的助言ではありません。規約/契約/社内基準がある場合はそれを最優先し、 迷ったときは公開を見送り、連絡窓口や法務と相談してください。

要点(TL;DR)

  • 最終表示解像度基準で決める(拡大掲載があるなら基準を厳しく)。
  • 目安:顔12–20pxブロック/半径8–16px、ID/番号16–24pxブロック。
  • 領域は広めに(髪・耳・輪郭、文字の周囲も含める)。
  • 可能ならトリミングで除去、文字列は塗りつぶしが最も安全。
  • 仕上げ前に /compare で1:1確認 →EXIF削除圧縮

1. 原理と落とし穴(なぜ復元されやすいのか)

  • ブロック/半径が小さいほど元情報が残りやすく、超解像やAI補完で輪郭が推定されます。
  • 二重処理(強シャープ/コントラスト)は境界を強調し、かえって形が浮き出ます。
  • アップロード後の再エンコード(SNS/チャット)が縁のにじみを増幅させる場合があります。
  • 領域が狭いと、少しの色補正で輪郭が戻ることがあります。必ず余白を広めに。

2. 推奨設定(ケース別)

顔(人物)

  • モザイク:12–20pxブロック(最終表示基準)
  • ぼかし:半径 8–16px(二重ぼかしはNG)
  • 髪・耳・輪郭まで広めに処理

氏名・ID・ナンバー

  • モザイク:16–24pxブロック
  • ぼかし:半径 10–18px(線が残らないまで)
  • 最安全は塗りつぶし(矩形/パス)

住所・地図・車体番号

  • モザイク:20px以上を基準
  • 色反転や強シャープ等の後処理はしない
  • 可能ならトリミングで除去

3. 最短ワークフロー

  1. 可能なら トリミング で除去(最優先)。
  2. 機微情報へモザイク/ぼかし(上記の安全側の目安で開始)。
  3. 透過やロゴの縁は 白縁対策 を参考に整える。
  4. 仕上げ:圧縮(可逆または WebP Q=80–85)→ /compare で1:1確認 → EXIF削除

4. ケーススタディ

イベント写真の顔ぼかし:SNS再投稿で拡大され読めてしまった例。半径6px→12pxに引き上げ、 髪・耳まで領域拡張。最終はWebP Q=82で公開し直し、再識別の懸念を解消。

社内資料の社員番号:16pxモザイクでも桁数推定の余地があったため塗りつぶしへ方針変更。 版管理で元画像を保全し、公開用はEXIF削除と寸法指定でCLS対策も同時に実施。

5. NG例(やりがちな失敗)

  • ブロック/半径が小さすぎる → 再識別リスク。
  • 二重処理(モザイク後に強シャープ/コントラスト)→ 形状が復元されやすい。
  • 色反転/レベル補正 → 文字の輪郭が浮き出ることがある。
  • 領域が狭い → 直線/輪郭に沿って広めに処理。

6. 公開前チェック(8項目)

  • 最終表示解像度で十分なブロック/半径がある。
  • 処理領域は広め(顔は輪郭外まで、文字は余白込み)。
  • トリミング/塗りつぶしで代替できないか検討した。
  • 強シャープ・色反転など復元を助ける処理を行っていない。
  • 画像は想定表示幅に合わせ、width/heightを指定している。
  • /compare で原稿と1:1確認済み。
  • EXIF(位置情報等)を削除した。
  • 懸念が残る場合は公開を見送るか、専門部署に確認した。

7. まとめ:安全側に倒し、手順で迷わない

モザイク/ぼかしは最終表示解像度を基準に安全側で決めるのが鉄則です。可能ならトリミング塗りつぶしを優先し、仕上げは /compressor /compare で最短確認。迷ったら公開を止める判断も品質のうちです。

gazou-compressor.jp 編集部
画像圧縮・変換・背景除去などの実践テクニックと、Webで“速く・軽く・崩さない”ためのノウハウを発信しています。
所属トピック: EXIF・向き・プライバシー(提出/共有の安全化)

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